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2013年8月31日

【この1冊】『キャリア・チェンジ!』

社会人大学院で学び直す

c130831.jpg編著・諏訪 康雄
生産性出版、定価1500円+税

 

 人生が長くなり、サラリーマンの意識が変わったこともあって、社会人の「学び直し」が盛んだ。そんな受け皿となるのが大学の社会人大学院で、そこで新たなキャリアを磨こうとする人は年々増えている。

 しかし、現役学生と違って社会人は働きながら勉強しなければならないため、勤務先や家族の理解、学費調達など、困難も少なくない。会社に内緒で講義を受ける人も多く、まだ完全な市民権を得ているわけではない。本書は「学びたいけど踏み切れない」と思っている人たちにうってつけの1冊だ。

 社会人が大学院で得る収穫としては、アカデミックな世界の広さと深さを体感できる、多様な分野のプロと出会える、学位の所得――などがある。自分の望むキャリアを磨くために、まずはどんな大学にどんな指導教授がいて、どんなカリキュラムが用意されているかをチェック。そのために本書は、手始めに、多くの大学が実施している社会人向けの公開講座に出掛けることを勧める。

 65歳雇用延長など、日本人のサラリーマン生活は今後、さらに長くなるのは確実。新卒時には企業の内定を得ることしか考えなかったサラリーマンも、中年になると自分の仕事を深化させ、キャリア・チェンジを目指す人も少なくない。本書はそうした経験者の体験談なども収めており、大いに参考になる。(のり)

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