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2013年6月22日

【この1冊】『結果を出して定時に帰る時間術』

「ワーク・ライフ・バランス」の極意

c130622.jpg成美堂出版、著者・小室淑恵
定価524円+税

 

 長時間残業、サービス残業が日本企業の生産性をいかに低下させているか。統計的には明確に立証されているにもかかわらず、個々の企業のパフォーマンスは容易に改善されない。しかし、女性の就労促進の本格化とともに、この問題に対するさまざまな改善が提言、実践されるようになってもいる。

 本書は、その「旗振り役」ともいえる1冊。著者は資生堂勤務後に独立して、「ワーク・ライフバランス」社を設立。長時間労働の是正と効率的な働き方を通じて、日本人のワーク・ライフ・バランス(主に仕事と家庭の両立)を実現するため、執筆、テレビ出演、講演など精力的に活動中。今年からはNHKの「NEWS WEB」のコメンテーターの1人として、その発言が注目されている。

 数多い著作の中から本書を選んだのは、ワーク・ライフ・バランスに対する基本的な考え方を、実際の職場でのやり取りを通じてわかりやく解説しているため。2008年の初出だが、その後の著作も本書を土台にしていると言ってもよさそうだ。

 「残業をやめてみよう!」「忙しすぎる人の悪い習慣」など7章に分かれ、自らの資生堂時代の体験や失敗談なども織り交ぜている。どうやって仕事の集中力を高めるか、残業をしないメリット、育児との両立テクニックなど、多くの女性が悩み、悪戦苦闘している身近な問題改善のヒントが散りばめられている。

 「こんな心掛けなら“スーパーウーマン”でなくてもできそう」と思わせるところがミソ。「24時間闘ってきた」男性上司も目を通して、時代の変化を感じ取れれば、日本のワーク・ライフ・バランスは大きく前進するはずだ。 (のり)

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