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2013年4月 4日

木曜日のつぶやき66・新社会人のみなさんへ

ビー・スタイル ヒトラボ編集長 川上敬太郎氏

 4月に浴びる日差しは、独特のオーラをまとっている。

 入学、進級、転勤、引っ越しなど、新たなスタートを切る季節。中でも、学生生活を終えた新社会人にとっての環境変化は大きい。最高学年から新社会人になる落差は強烈。6年間通う小学校でも、新入生と最高学年との差は5年に過ぎない。会社に入ると60代の先輩社員がいる。

c130404.jpg 大学時代と異なり、生活は規則正しいものになる。毎朝9時前には出社。遅刻や無断欠勤などしようものなら、あっという間に同僚の信頼を失ってしまう。3月までの自由の身から一転、4月を迎えたとたん、スケジュールにがんじがらめにされてしまう。

 昨年12月、日本は政権が変わった。しかし、日本を取り巻く環境は依然厳しい。2011年3月に起きた東日本大震災と原発事故、北朝鮮の核実験や竹島領有権などの外交問題、グローバル市場における日本企業の苦戦。取り組むべき課題は山積している。

 日本という国が危機に立ち向かう中で、必要としているのは未来に向けた新しい戦力だ。震災から復興し、停滞していた経済を動かし、共に希望に満ちた国創りに取り組んでくれる戦力。いま日本の労働生産人口は約6000万人。それぞれがそれぞれの役割を担い、この国を創っている。

 新社会人のみなさん。これからはあなたたちが、この国を支えるのだ。

 雇用においても様々な課題がある。若年層の失業率は高止まりしている。一方で生活保護の不正受給が問題化している。高齢者や主婦、障害者の活躍の場はまだまだ少ない。労働契約法や労働者派遣法が改正されたものの、その内容は矛盾を多く抱えている。

 震災、外交、グローバル競争、そして雇用。これらの課題だけでも、相当なボリュームがある。新社会人のみなさんがこの国で果たすべき役割は数え切れないほど存在している。そして、それぞれがそれぞれの仕事をやり遂げ、連携することで、この国は成り立っている。

 環境の変化は、時に新しい自分との出会いをもたらしてくれる。学生時代は親や国に養ってもらう側だった。これからは養う側になる。そして、社会の中で先輩たちが果たしてきた役割を受け継ぐことになる。そんな責任を負ったあなたは、きっと新しい自分に出会えているはずである。

 社会にはあなたにしかできない仕事が必ずある。日々の仕事に向き合う中で、それは少しずつ、何年もかけてやっと、おぼろげながら見えてくるもの。まずはどんな仕事でも一生懸命に取り組むことだ。あなたの日々の仕事が、会社を、社会を、日本を創っていくのだから。

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