人はなぜ働くのだろう?
編著者・産経新聞社
産経新聞出版、定価1200円+税
改めて肩書きを説明するまでもない著名な7人(新浪剛史氏、大竹美喜氏、北城恪太郎氏、葛西敬之氏、小宮山宏氏、奥島孝康氏、金子郁容氏)が「働くこと」について語った1冊。
企画時点で想定された読者対象は大学生から新入社員と思われるが、年代を越えて刺激の得られるメッセージも数多く凝縮されている。
各氏が共通して語っているのは、「学び」「挑戦」「野性」「信念」「努力」「利他」「情熱」「公共」といった価値観だ。加えて「天職は追い求めて得られるものではなく、目の前のことを継続してやりきることによって到達する」との認識でもほぼ一致している。
“つまらない仕事ならそれを面白くする”、“無意味な仕事ならそれをなくす取り組みをする”、“就職先がなければ自分で仕事を創り出せ”と、諦めや惰性に流されがちな現役ビジネスパーソンも思わず襟を正したくなるような示唆がにじんでいる。
加えて各アドバイスは各氏の半生に裏付けられており、人事部門としてはキャリア開発の研究資料としても読み応えがありそうだ。
(久島豊樹/HRM Magazine より)