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2011年11月15日

<特集・京の古寺と紅葉③>曼殊院(まんしゅいん)

白壁と紅葉の鮮やかな取り合わせkouoyou mannjyinn.jpg

 京阪電車の終点、出町柳駅で叡山電鉄に乗り換え、さらに北へ。修学院駅で下車し、そこから徒歩20分ほど。目の前に比叡山がそびえ、その西麓に位置する天台宗の寺。

 この辺まで来るともう「洛北」になり、市街地に比べるとかなり静か。周囲には新築民家にまじって地元農家もあり、沿道の石仏がひなびた風景を作り出している。東山一帯の寺社の混雑がウソのようだが、それでもこのシーズンは紅葉目当ての客でにぎやかになる。

 まず、敷地を囲む白塀と赤い紅葉の組み合わせが美しい。ここの紅葉が見事なのは、寒暖の差が大きいためとか。境内も手入れの行き届いた庭園や本堂などに、真っ赤なモミジが文字通り色を添える。

 また、市内屈指の門跡寺院とあって、建物、庭園、狩野派の襖絵(ふすまえ)、絵画など、江戸初期の芸術の粋が集中している。シーズンをはずせばグンと静かになるので、そうした時期にじっくり鑑賞するのもいい。

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