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2011年11月 1日

<特集・京の古寺と紅葉①>毘沙門堂(びしゃもんどう)

 そろそろ本格的な紅葉シーズン。「日本人で良かった」と思う心安らぐ季節だが、紅葉にはなぜかお寺が似合う。11月はピックアップコラムの「花と鳥」をお休みして、紅葉のメッカ、京都市内の比較的静かなスポットをご紹介する。

参道を彩る赤の世界kyouto1 bisyamon.jpg

  JR、市営地下鉄、京阪の山科駅で降りて、ほぼ北へ徒歩20分。山寺の常で次第に道が上り坂になり、山科疎水を抜けて境内に入る最後の石段はかなり息が切れる。その代り、山上から眺める全山紅葉の眺望は、数多い京の寺院でも逸品だ。境内の春の枝垂(しだれ)桜も知られる。

 天台宗のお寺で「毘沙門堂門跡」「山科毘沙門堂」とも呼ばれる。毘沙門天は東西南北の四天王のうち、北方を守る神であると同時に、戦の守り神として有名。ここでも本堂におられるが、秘仏になっている。

 紅葉は弁天堂の周辺がいいが、やはりなだらかな参道を上り、下り坂を眺めるスポットが最高=写真。晩秋ともなると、両側から参道をおおうように広がる紅葉が石畳にも積もり、カメラマンには絶好のシャッターチャンス。

 以前は京都市街地からはずれていたため、紅葉の穴場だったが、JRのCMに使われてからはかなり混雑するようになった。それでも、まだ静かな方だ。

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