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2014年5月 1日

木曜日のつぶやき122・メーデーに思う

ビースタイル ヒトラボ編集長 川上敬太郎氏

 4月26日の第85回メーデー。東京の代々木公園には、実に約4万人が集結したという。

c140503.jpg かつてメーデーと言えば5月1日だった。ゴールデンウィークの真っただ中なだけに、子供のころは祝日にして欲しいと無邪気に願っていたのを覚えている。

 ウィキペディアによると、メーデーは「May Day」で、ヨーロッパで夏の訪れを祝う5月祭が起源とのこと。外国から入ってきた記念日なのであれば、日本の祝日としては馴染まないのかもしれない。

 両親ともに自営業だったせいかメーデーを身近に感じることはなく、大勢の人が一か所に集まってシュプレヒコールを上げる姿をテレビで見るたびに、不思議な印象を受けた。

 日本に労使対立という考え方が入ってきたのはいつからなのだろう。労働者が集い権利を主張することの必要性は分かるが、対立を前提にしてしまうことには違和感を覚える。本来労働者なくして使用者は成り立たず、逆もまた然りのはずだからだ。

 「国があなたのために何をしてくれるのかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えよう。」

 これは第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディが演説で語ったとされる有名なセリフ。国家を国民一人一人が支えているのと同様に、企業は労働者一人一人が支えている。労働者が権利を主張する時、一方で自分たちが企業に対して何ができるかについてもセットで語られるべきなのだろうと思う。

 かつて主張しない業界と言われた人材サービス業界。最近は自分たちの考えを公の場で表明するようになってきた。良いことではあるが、主張に責任が伴うのはこの場合も同じ。自分たちの存在が社会にどんなメリットをもたらすのか。そのために、自分たちはどんな役割を果たすのかもしっかりと伝える必要がある。

 対立を前提とした主張ではなく、主張する側もされる側も勝者となれるWIN-WINの道を探ることができないものか。メーデーを迎えると、いつもそんなことを考える。

 

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